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赤ちゃんにできるニキビの原因は?「新生児ニキビ」の特徴や対処法

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

生まれてすぐの赤ちゃんの顔に「ニキビ」ができやすいのをご存じでしょうか。
生後2週間頃の赤ちゃんの約20%にニキビがみられるとされています。赤ちゃんの肌はきれいですべすべなイメージがあるため、知らないと驚いてしまうかもしれません。

今回の記事では、新生児ニキビとは何か、なぜできるのか、どう対処すべきかなど、気になる疑問について解説します。

赤ちゃんにできるニキビ「新生児ニキビ」の特徴とは?


赤ちゃんにできるニキビ「新生児ニキビ」の特徴とは?

新生児ニキビとは、皮脂が毛穴に詰まってできるブツブツした発疹で、顔に赤いぶつぶつや膿をもったぶつぶつができるのが特徴です。ニキビは、思春期前後にできやすい発疹ですが、それとは少し違ったしくみで新生児期(生後28日未満)にも生じやすく、「新生児ニキビ」と呼ばれます。

新生児ニキビは専門的には「新生児ざ瘡」と呼ばれます。冒頭でも述べたとおり、新生児の赤ちゃんの約20%にみられる、ありふれた皮ふトラブルです。思春期ニキビや大人ニキビと同じく、ほほやおでこ、鼻、あごにできやすいです。出現時期は、生後2週間から生後1か月頃で、ほとんどの場合は適切なケアを行えば生後3か月ほどで自然に消えていきます。


どうして赤ちゃんに「新生児ニキビ」ができるの?


どうして赤ちゃんに「新生児ニキビ」ができるの?

皮脂で毛穴が詰まり炎症を起こすという発疹のしくみは思春期ニキビ・大人ニキビと同様ですが、新生児ニキビができる原因は少し異なります。

●皮脂の分泌量が多いため

皮脂は、肌を乾燥から守る役割を果たします。生まれたばかりの赤ちゃんは自分で皮脂を分泌する機能が未熟なため、母体から受け継いだホルモンによって皮脂を盛んに分泌します。
赤ちゃんの皮脂腺は細く未発達のため、ママからもらったホルモンの量が多いと皮脂の分泌量が過剰になり、毛穴が詰まりやすくなるのです。炎症は、アクネ菌によるとされる思春期ニキビや大人ニキビとは違い、皮ふに常在する真菌(カビ)の一種であるマラセチア菌などが関係すると考えられています。

また、直接的な原因ではないものの、新生児にきびが起きやすくなる要因として以下の3つも考えられます。

●肌が乾燥しているため

赤ちゃんの肌はデリケートで乾燥しやすく、乾燥を放置すると様々な皮ふトラブルの要因になります。特に沐浴後の乾燥には注意が必要です。

●皮ふが薄く刺激を受けやすいため

赤ちゃんの皮ふは薄く、大人の半分程度しかありません。バリア機能も未熟なため刺激に弱いです。余分な皮脂に付着した菌や汚れ・アレルゲン、汗やよだれ、口からこぼれたミルクや離乳食、衣類やリネン類などが刺激となって乳児湿疹を引き起こすことがあります。

●肌に汚れが残っているため

肌に汚れが残ると、新生児ニキビの要因の一つにあげられているマラセチア菌などの常在菌が増殖しやすくなります。

◎赤ちゃんの皮ふトラブルと皮脂分泌

新生児ニキビを含む乳児湿疹(赤ちゃんの皮ふトラブルの総称)の多くも、ママからもらったホルモンが関係しています。頭皮や髪の生え際、眉毛、鼻や耳の周り、脇の下、胸、おへそ、背中などに赤いブツブツや黄色のフケ・かさぶたができる乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮ふ炎)も皮脂分泌の過剰が原因です。ママからもらったホルモンの影響がなくなる生後数か月以降は、皮脂の分泌が減って、肌が乾燥しやすくなります。

乳児湿疹について詳しくは以下の記事をご覧ください。


合わせて読みたい
子どもの顔にできた赤いブツブツは乳児湿疹?原因やケアの方法

赤ちゃんに「新生児ニキビ」ができてしまったときの対処法


新生児ニキビの発症や悪化を防ぐためには、スキンケアが重要です。ここでは家庭でできるホームケアや対策を紹介しましょう。

なお、新生児ニキビは、初期のアトピー性皮ふ炎と区別がつきにくく、医師への受診が必要になるケースもあります。詳しくは、次の「気になる疑問」をご覧ください。


●肌を清潔に保つ


赤ちゃんのニキビも、思春期ニキビや大人ニキビと同じように、皮脂や汚れ、汗などが毛穴に詰まることから始まります。まずは「肌の清潔を保つ」ことが重要です。1日1回、肌と頭髪・頭皮をしっかり洗ってあげましょう。洗う際は、ゴシゴシとこすらずにやさしく洗います。こすると、肌のバリア機能が壊れて逆効果になるためです。石けんをよく泡立てて、手に泡をたっぷりのせ、泡でやさしく洗ってあげます。また、よくすすぐことも重要です。

赤ちゃんとのお風呂では押すと泡が出る泡タイプの石けんを使うのがおすすめです。合成界面活性剤や合成香料などが無添加で赤ちゃんの肌にやさしく、泡切れのよいものを選ぶとよいでしょう。

●肌や肌に触れるものを清潔に保つ

ニキビを悪化させないために、赤ちゃんの肌に直接触れる衣類やリネン類、タオルなどを清潔に保つことも大切です。汚れたままだと、新生児ニキビの要因の一つとされるマラセチア菌などの微生物が増殖しやすくなります。

赤ちゃんの衣類は洗剤選びも重要です。合成界面活性剤や合成香料が無添加で刺激の少ない、赤ちゃん専用の洗剤を選ぶとよいでしょう。

●肌をしっかり保湿する

乳児湿疹の発症と悪化を防ぐには、保湿が重要です。新生児ニキビの場合は、沐浴などで皮脂汚れをしっかりと落としたあと、ベビーローションやクリームなどの保湿剤を塗りましょう。

沐浴やお風呂上がり後は肌が乾燥しやすいため、なるべく早めに、念入りに行います。症状が強い場合は、小児科や皮ふ科を受診し、処方された保湿剤を使用しましょう。

赤ちゃんの「新生児ニキビ」に関する気になる疑問


生まれたばかりのわが子にブツブツができたら心配になるでしょう。何とかしたいとニキビをつぶしたくなったり、病院を受診すべきか迷ったりするかもしれません。よくある疑問をまとめました。


●ニキビがかさぶたになったらはがしても大丈夫?


ニキビの先端が硬くなり、かさぶたのようになることがありますが、無理にはがさないようにしましょう。また、ニキビをつぶすのもNGです。感染の原因になります。
なお、乳児脂漏性湿疹の場合は、赤いブツブツ以外に黄色のフケやかさぶたがみられます。こちらも無理にはがさず、自然に取れるのを待ちましょう。


●病院に行ったほうがよいのはどのようなとき?


新生児ニキビは、生後3~4か月で自然に治まるケースが多いです。次のような場合、病院やクリニックを受診する目安にしてください。

・ホームケアを続けても病状が悪化して発疹が膿んだり白くなったりする
・生後3~4か月を過ぎても症状が改善しない
・顔以外の部分にも発疹がみられる
・水疱(水ぶくれ)ができている
・かゆみが強い
・乾燥が強い

初期のアトピー性皮ふ炎や、夏季によく起こる皮ふの細菌感染のとびひ(伝染性膿痂疹)などの可能性もあり、鑑別診断が必要です。状態によっては新生児でも軟膏などの外用薬が処方されるケースがあります。

毎日のこまめなスキンケアを大切に

ご説明したとおり、生後2週間頃によくみられる新生児ニキビをはじめ、赤ちゃんの肌トラブルは多いです。赤ちゃんの肌は薄く、バリア機能も未熟でデリケート。様々なトラブルが起こりやすいため、以下の記事も合わせてご覧ください。ケア方法も記載しています。


合わせて読みたい
子どもの顔にできた赤いブツブツは乳児湿疹?原因やケアの方法

多くのトラブルはホルモンが関係していますが、日々のこまめなスキンケアも重要です。
皮脂や汗、汚れをやさしく丁寧に落としてあげてください。そして、沐浴後やお風呂上がりには保湿ケアが大切になります。ママから受け継いだホルモンの影響が薄れる生後4か月以降は特に重要です。

ただし、赤ちゃんの肌にトラブルが起こっても生理的な現象のため、落ち込まないでくださいね。一過性のトラブルも多くあります。医師や助産師などの専門職に相談しながら、大切にケアしてあげましょう。



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