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赤ちゃんが冬に寝る時の服装・布団|快適な睡眠のためにできること

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

冬の寒い季節、赤ちゃんが寝る時の服装や布団をどうすればよいか、悩むママ・パパも多いでしょう。小さい体の赤ちゃんは、冷たい空気にさらされると、すぐに全身が冷えてしまうように思えます。低体温だけでなく風邪も心配です。けれど、育児書や子育て情報サイトなどには「温め過ぎはNG」の文字も──。

今回は、赤ちゃんが冬に寝る時に適切な服装を月齢別に解説したうえで、布団の選び方、冬に寝る時の注意点などをまとめました。ぜひチェックしてみてくださいね。

【冬】赤ちゃんが寝る時におすすめの服装


後ほど理由を解説しますが、冬の赤ちゃんの服装の基本は「ちょっと薄着」。大人の感覚だと「少し寒い」と思えるような環境が適切です。

厚着をさせるとすぐに体温が上がり過ぎてしまいますから、厚手の服装ではなく重ね着で調整できるようにしましょう。掛け布団やスリーパーを使用するなら、なおさら厚着は不要です。なお、スリーパーは便利な「着るお布団」のこと。後ほど詳しく紹介します。

では、冬に赤ちゃんが寝る時におすすめの服装、ベビー服の選び方などについて、月齢ごとに紹介していきましょう。


ベビー服の種類


月齢別におすすめの服装を紹介する前に、ベビー服について簡単に解説しましょう。



短肌着

着丈の短いオールシーズン使える基本の肌着です。ボタンはなく、ひもで開閉します。

長肌着

短肌着の上に着せる、着丈の長い肌着です。コンビ肌着で代用できます。

コンビ肌着

長肌着と同じ使い方ですが、裾が二股に分かれていてスナップボタンでとめられるため、足を動かしてもお腹がはだけません。

ロンパース

肌着の上に着る、股の部分にスナップボタンがついた「つなぎ服タイプ」のウェアです。肌着としても使われます。

ドレスオール

肌着の上に着る、ワンピースのようなウェアです。足をあまり動かさない生後2か月ごろまで使われます。

2WAYオール

スナップボタンのとめ方によってドレスオールにもカバーオールにもなるウェアです。

カバーオール

肌着の上に着る、「つなぎ服タイプ」のウェアです。足首までスナップボタンでとめることができます。

スリーパー

「着るお布団」のようなもの。保温性に優れた毛布のような素材で、肌着やパジャマの上から着用できて便利です。



【誕生~生後3か月ごろまで】

生後3~4か月ごろに首がすわり、生後5~6か月ごろになると、寝返りをするようになります(個人差が大きく、たとえば生後10か月ごろに寝返りする赤ちゃんもいます)。

赤ちゃんの昼夜のリズムが整い、夜間は長く寝てくれるようになります。長袖パジャマを着させるか、寝る時専用のロンパースを用意しましょう。上下が分かれた長袖パジャマなら、汚れたほうだけ着替えさせることができて効率的です。お腹がめくれるようなら、腹巻などを着用してカバーします。

掛け布団や暖房を使用しない場合は、寝具がわりになる厚手の上着(カバーオールなど)かスリーパーを上から着せるとよいでしょう。

足をバタバタと動かし始め、寝相も悪くなります。ベビーベッドやソファーなどからの転落や、クッションなどによる窒息に注意が必要な時期です。

【生後7か月~1歳ごろまで】

生後8~10か月前後を目安にはいはい、生後10か月~1歳を目安につかまり立ちや伝い歩き、一人歩きができるようになり、赤ちゃんの活動量が目立って増える時期です(個人差があります)。

寝ている時も寝返りが多くなりますから、動きやすくて寝苦しくないような長袖のパジャマに切り替えます。ただし、寝ている時にお腹が出やすくもなりますから、腹巻などを着用しましょう。

掛け布団や暖房を使用しない場合は、寝具がわりになる厚手の上着(ベストなどの半袖のアウター)かスリーパーを着せるとよいでしょう。

【冬】赤ちゃんが寝る時の布団のポイント


寒い時期は、たくさんの暖かい布団で包んであげたくなりますが、掛け過ぎは禁物。体温が上がり過ぎるだけでなく、窒息事故の危険もあるのです。

掛け物の基本は1~2枚。おくるみやスリーパーの利用もよいでしょう。赤ちゃんが寝る時の寝具について、三つのポイントを紹介します。


重たい寝具を避ける


主に夜間、掛け布団が鼻や口を覆ったり首に巻きついたりして赤ちゃんが窒息死する事件が散発しています 。特に重い掛け布団は、赤ちゃんの動きを妨げて事故の原因になりやすいですから、使用を避けましょう。

できるだけ軽くて通気性のよいベビー布団か薄手の毛布(ブランケット)、タオルケットを選び、首元まではかけずに脇の下くらいにかけます。また、窒息の心配が少なく、寝相が悪くてもはだけにくいスリーパーの活用もおすすめです。スリーパーを着ていれば、冬でも掛け布団をかける必要はありません。

自力で払いのけたり体勢を変えたりできる1歳ごろまでは、掛け布団の使用を避ける家庭も多いです 。

枕も首の負担になったり、窒息の原因になったりするので、使用を避けます。敷布団はやわらかいふかふかなものより、適度なかたさのあるものが寝返りしたときに顔が埋まりにくいのでいいでしょう。

赤ちゃんには軽い素材の掛け布団が推奨されますが、寝相が悪い場合は布団をはいでしまって体が冷えることがよくありますから、積極的にスリーパーを活用しましょう。動きが少ない生後3か月ごろまでは、おくるみにくるんで寝かせる方法もあります。

敷布団に寒さ対策をする

冷えは床からもやってきます。特に床や畳に直接敷布団を敷いて寝かせる場合は、冷気も溜まりやすくなるため冷えてしまいす。敷布団のかたさを損なわずに寒さ対策をするには、敷布団の上にフリース素材などのシーツや敷きパットを重ねてあげるとよいでしょう。このとき、寝返りしてもずれることがなく、しっかり敷布団に固定できるタイプのものを使用しましょう。

敷きパットはシーツよりも厚く、キルティング加工がされて中綿が入っているものもあります。床から来る冷気から赤ちゃんの背中を守ってくれるだけでなく、ふんわり暖かくて寝心地もよいです。

【参考】0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください! -家庭内で、就寝時に窒息死事故が多数発生しています-(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf

【冬】赤ちゃんが寝る時に気をつけたいこと


冬の時期、赤ちゃんが寝る時に気をつけなければならないのは、体温管理です。外の気温がとても低いからといって、室内を暖め過ぎたり、厚着をさせ過ぎたりすると、さまざまなトラブルの原因になってしまいます。赤ちゃんが寝る時に気をつけるべき重要なポイントを二つ紹介します。


厚着をさせ過ぎない


冬の夜は冷え込みますから、赤ちゃんが風邪を引くのが心配になって、つい厚着をさせたくなります。しかし、赤ちゃんは大人よりも体温が高く基本的に「暑がり」ですから、冬でも薄着を心がけましょう  。

特に体温調節が未熟な1歳未満の赤ちゃんは、厚着をし過ぎると、熱がこもって体温が異常に上昇してしまいます 。また、新陳代謝が活発なために汗をかきやすく、あせもなどのトラブルの原因にもなります。

赤ちゃんが掛け物を頻繁に足でけったりはいだりしている場合や、頭や手足などに汗をかいている場合は「暑い」というアピールなので、掛け物や衣服の調整が必要です。もし、汗をたくさんかいていたら必ず着替えをしましょう。そのまま放置してしまうと、逆に体を冷やしてしまう原因になります。

赤ちゃんは手足が冷たくても、お腹や背中が温かければ体内温度が保たれている場合が多いです。寝る時の靴下や手袋は、基本的に必要ありません 。

また、近年は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクの一つとして、厚着による高体温があげられていますから、着せ過ぎには注意が必要です。

部屋の温めすぎに注意する

お住まいの環境にもよりますが、寝る前に部屋を十分に暖めておけば、寝ている間の暖房は基本的に不要です。暖房をつけっぱなしにすると、赤ちゃんの体温が上昇し過ぎたり、乾燥して脱水になったりするおそれがあります。冬生まれの赤ちゃんの場合は、冷えが心配になりますが、衣服や掛け物で調整するとよいでしょう。

赤ちゃんにとって快適な冬の室温は20~23度、湿度は40~60パーセントが目安とされています。寝る時も暖房を使う際は、部屋全体が均等に暖まるエアコンを使用して温度を低めに設定しましょう。また、加湿器も併用して、部屋の湿度を保ちましょう。

エアコンの温度・湿度設定だけに頼らず、赤ちゃんの近くに温度計・湿度計を置いて確認するといいでしょう。

大切な赤ちゃんが冬に安心して寝られるように

ここまで、赤ちゃんが冬に寝る時に大切なポイントを解説してきました。服装、布団、暖房など、いずれも初めて赤ちゃんを迎えるママ・パパが悩みやすいポイントです。

親世代、祖父母の世代ですと、赤ちゃんの防寒対策が重視され、寝る時も厚着をさせて手袋や靴下を着用させるのが主流でした。しかし家屋環境が変わった今では、赤ちゃんの体温の上がり過ぎに警鐘が鳴らされています。

子育ての方法は時代によって変わりますから、最新の情報をチェックして、大切な赤ちゃんが安心して快適に寝られるように気をつけていきたいですね。


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