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赤ちゃんの部屋の温度・湿度の目安は?暑さや寒さを感じているサイン

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

生まれたばかりの赤ちゃんは、体温を調節する機能が未熟で外気温の影響を受けやすいため、室温の管理が重要になります。真夏など室温が高すぎると熱中症や脱水症、冬夜などに低すぎると低体温庄や風邪の原因になるので注意が必要です。

この記事では赤ちゃんの「部屋の温度」について詳しく紹介します。

赤ちゃんに適した部屋の温度・湿度は?


赤ちゃんに適した部屋の温度・湿度は?

赤ちゃんの部屋の温度を管理するなかで、まず知ってほしいポイントがあります。
「赤ちゃんにとって理想的な部屋の温度は季節によって異なること」「湿度にも気を配ってほしいこと」の2点です。

温度・湿度を時期や気候に応じて調整することで、赤ちゃんにとって快適な環境が保たれます。
なお、エアコンや冷房(クーラー)、暖房(ヒーター)の温度・湿度設定に頼らず、赤ちゃんのベッドの近くに室温計・湿度計(温湿度計)を置いてこまめにチェックするとよいでしょう。


●理想的な「温度」


・夏の場合
室温は26℃~28℃くらいが目安になります。エアコン(冷房)を使用したうえでの温度です。
外気温との差は5℃以内に抑えることが目安とされていますが、気温が30℃を大きく超える場合は28℃以内に管理すると考えてよいでしょう。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、汗をかきやすくなっています。汗で体が濡れたままエアコンの冷えた空気にさらされると体が冷えすぎてしまうおそれがあるため、汗で濡れた肌着はこまめに替えてあげましょう。また、冷たい空気は下にたまりやすいため、扇風機やサーキュレーターなどで上手に空気を循環させると涼しくなります。

・冬の場合
室温は20℃~23℃が目安になります。エアコンや暖房を使用したうえでの温度です。なお、暖房やストーブは暑くなりすぎるおそれがあるので設定温度は20℃前後がよいでしょう。
新生児(生後28日未満)の場合は23℃~25℃くらいあってもよいとされます。ただし、赤ちゃんは体温が高く基本的に“暑がり”のため、大人の感覚だと少し寒いと思えるような環境が適切です。なお、厚着をさせると体温が上がりすぎるおそれがあります。近年は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクの一つとして「あたためすぎ」があげられているために注意が必要です。

・春や秋の場合
20℃~25℃が適温とされていますが、大人が快適に過ごせるようなら基本的にエアコンや冷暖房は使わなくてもよいでしょう。
ただし春や夏でも寒い日・暑い日はあるため、室温に応じて冷暖房で調整します。暖房を使うなら室温の目安は20℃前後、冷房やエアコンの除湿を使うなら室温の目安は28℃くらいまでです。

●理想的な「湿度」

温度に比べて見落とされがちですが、湿度の管理も重要です。夏場は50%~60%、冬場は40%~60%が目安になります。

赤ちゃんは汗をかきやすいため、湿度が高すぎると発汗が増えて汗疹(あせも)が発生しやすくなります。梅雨時期や夏場など、多湿な時期は除湿して管理しましょう。冬場は外気が乾燥する季節です。室内が乾燥するとウイルスの活動が活発になりやすく、ウイルス感染症にかかるおそれが増します。また、乾燥は赤ちゃんの肌トラブルの要因にもなるため 、湿度が低い場合は加湿をしましょう。ただし、加湿の場合は湿度が60%以上にならないように気をつけてください。

ここまで季節別の理想的な温度調節・湿度調節について解説してきましたが、厳格に守ろうとナーバスになる必要はありません。十分な冷暖房がなく、家屋の気密性が低かった時代も、赤ちゃんはきちんと育ってきました。基本的には大人が快適に過ごせる環境を基準にして問題ありません 。理想的な室温・湿度はあくまで「目安」として、ママ・パパが暑さ・寒さを感じたら我慢せずに冷暖房を使用して調整してください。
なお、部屋の温度・湿度に加えて、服装や寝具の調節も大切です。


合わせて読みたい
「赤ちゃんが冬に寝る時の服装・布団|快適な睡眠のためにできること」
「新生児の夏の服装は?選ぶポイントや注意点、あると便利なグッズ」

赤ちゃんにとって部屋の温度が適切ではないサイン


室温だけにこだわらず、赤ちゃんの様子をこまめにチェックして「暑くないか」「寒くないか」を観察することも重要になります。

また、赤ちゃんの体温は36.5℃~37.5℃が標準です。暑さ・寒さのサインがあれば体温を測ってみましょう。


●暑さを感じているサイン


次のようなサインが観察できたら、赤ちゃんが暑がっている可能性があります。室温を下げたり服を脱がせたり薄着にしたりして快適にしてあげましょう。肌に触れて異様に熱い場合は、体温も測定してみてください。

・顔が赤く火照っている
・頭や背中に汗をかいていて、べたついている(服の中に手を入れて背中の汗を直接チェックする)
・髪の毛が汗で濡れて頭に張りついている
・泣いていないのに体が異様に熱い
・呼吸が速い

●寒さを感じているサイン

次のようなサインが観察できたら、赤ちゃんが寒がっている可能性があります。室温を上げたり、衣類や掛け物を調節したりしてあたたかくしてあげましょう。ただし前述の通り「あたためすぎ」には注意が必要になります。

・手足や唇が青白くなっている
・お腹や背中が冷たい(服の中に手を入れて直接チェックする)
・体を丸めて縮こまっている

なお、赤ちゃんは体温調整が未熟なため、熱の放散の関係で手足は冷たいことが多いです。爪の色がピンクで体があたたかければ問題ないとされていますが、冷たすぎる場合は注意が必要になります。体温を測って36℃以下になっている場合は、子ども医療電話相談(♯8000)に相談するか、病院やクリニックの受診を考えてみるとよいでしょう。

ここまで紹介した赤ちゃんのサインには、暑さ・寒さ以外に原因があるケースも考えられます。部屋の温度や衣服を調節してもサインが長く続く場合や心配がある場合は、かかりつけ医や専門機関に相談するとよいでしょう。

部屋の温度を調整するときに気をつけたいこと


部屋の温度を調整する際にはいくつかの注意点があります。いずれも赤ちゃんの健康を守るために重要なことばかりのため、チェックしてください。

●冷風・温風が直接赤ちゃんに当たらないようにする

エアコンや冷暖房を使う際は、冷たい・あたたかい風が赤ちゃんに直接当たらないように注意しましょう。直接の冷風・温風は赤ちゃんの体温を過剰に奪ったり、逆にあたためすぎたり、肌や粘膜を乾燥させたりして、赤ちゃんが体調を崩す要因になります。

赤ちゃんのベッドを置く位置や冷暖房機の設置場所、風向きを調整しましょう。また、夏場に使う扇風機やサーキュレーターの風も赤ちゃんに直接当たらないようにします。

「目安」にとらわれすぎず穏やかな気持ちでお世話を

特に最初の出産・育児の場合、何もわからない状態で赤ちゃんとの生活が始まるため、不安でいっぱいだと思います。今回のテーマである赤ちゃんの部屋の温度も「わからないこと」「不安なこと」の一つでしょう。

記事中にあるような「目安」があれば、安心材料になります。ただしあくまでも目安のため、適温を厳密にキープしなければならない訳ではありません。赤ちゃんの部屋に入ってママ・パパが快適であれば、赤ちゃんも大抵、快適に過ごしているので大丈夫です。

赤ちゃんの様子はこまめに確認してください。表情や呼吸の様子、汗ばみ、肌の色や様子などに、様々なサインがあらわれます。しょっちゅう観察していれば、異変に気づきやすくなります。ママやパパが穏やかな気持ちでお世話をすれば、赤ちゃんも共鳴して安心できるものです 。どうぞ、ゆったりした気持ちで子育てしてくださいね。



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