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赤ちゃんの保湿の適切な頻度・やり方は?デリケートな肌のケア方法

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

赤ちゃんの肌を守るには保湿が大切だと知っているママ・パパは多いと思いますが、「なぜ保湿が必要?」と尋ねられると、答えに困るかもしれません。保湿が必要な理由は、赤ちゃんの肌の「構造」にあります。

今回の記事では、赤ちゃんの肌を健やかに保つためになぜ保湿ケアが必要なのかを解説し、具体的に役立つ適切な保湿ケアの方法、保湿剤の選び方まで、理由も含めて詳しく紹介します。

赤ちゃんの保湿が重要な理由



肌(≒皮ふ)には、①外界の有害物質や紫外線から身体を守る、②体内の水分や栄養素の喪失を防ぐ、といった大きな役割があります。これは「肌のバリア機能」と呼ばれるものです。

皮ふは、表皮、真皮、皮下脂肪の3層に分けられています。上の図は大人と赤ちゃんの「表皮」を比較したもので、この図をもとに「赤ちゃんになぜ保湿が必要か」を説明していきましょう。


●理由① 肌が乾燥しやすい


表皮の外側にある角質層には、天然保湿因子(NMF)やセラミドなどの細胞間脂質が含まれており、水分の蒸発を防いでいます。

しかし、赤ちゃんの角質層は、厚さこそ9~15マイクロメートルで大人とほぼ同程度なものの、NMFなどの保湿成分や表皮皮脂量が少ないため、水分の蒸発を十分に防ぐことができず、乾燥しやすくなっているのです。


●理由② 湿疹や肌荒れが起きやすい

赤ちゃんの皮膚は、「肌のバリア機能」も未熟です。汗やよだれ、吐き戻したミルク、衣類の擦れなど少しの刺激で、肌トラブルを起こしやすくなっています。

赤ちゃんに汗疹(あせも)や湿疹などの肌荒れが多いのは、肌のバリア機能の未熟さが大きな原因でしょう。乾燥と肌荒れを繰り返すと乳児湿疹やアトピー性皮膚炎などにもつながります。

赤ちゃんの肌を守る基本の保湿方法


赤ちゃんの肌を守る基本の保湿方法

赤ちゃんの肌は、構造や機能の問題から乾燥しやすく、肌荒れを起こしやすいことを理解できたでしょうか。

肌が乾燥すると、角質層の構造が乱れてバリア機能がさらに低下し、いっそう肌トラブルが生じやすい状態になります。そこで重要になるのが「保湿」です。

ここからは保湿の方法、保湿剤の使い方を解説します。


●保湿の頻度・タイミング


1日2回程度、「全身の保湿」を行いましょう。
タイミングは、お風呂上がり(沐浴後)と朝の着替え時が推奨されます。理由は次のとおりです。

①お風呂上がり(沐浴後)

肌表面をおおう油分(皮脂膜)は、角質層とともに肌の水分蒸発を防ぐ役割があります。しかし、入浴や沐浴をすると、その油分が洗い流されてしまいます。また、入浴後の温度変化も水分蒸発を促進するため、お風呂を上がってすぐの保湿が推奨されています。

②朝の着替え時

日中の活動で外界からの刺激や紫外線を浴びるため、朝に保湿をして肌のバリア機能を高めておくことが重要です。
そのほか、口の汚れを拭き取った後、おむつ替えでおしりを拭き取った後など、肌の乾燥に気づいたタイミングでこまめに保湿するとよいでしょう。それぞれ、よだれかぶれやおむつかぶれが生じやすい部位です。

●保湿剤の量


●保湿剤の量

顔・首、胸・おなか、両腕、両足、背中・おしりなどの各パーツに、それぞれ10円玉大(約1ミリリットル)の量の保湿剤を塗るのが目安です。保湿剤は、たっぷりと使って問題ありません。


●保湿剤の塗り方


STEP① 保湿剤を手に取る
保湿剤を清潔にした手のひらに出して、手を優しくすり合わせてなじませます。

STEP② 手で優しく包み込むように保湿剤をつける
赤ちゃんの肌に優しく伸ばしていきます。
摩擦は肌への刺激になるので、ゴシゴシと擦らないことが重要です。できるだけ摩擦が起きないように、伸びのよい保湿剤を選びましょう。

STEP③ 毛の生えている向きに沿って一方向に伸ばす
毛の生えている向きに沿って保湿剤を伸ばすと、肌になじみやすく、また塗りやすくなります。おなかや背中は、首に近い方からおしりの方向に向かって塗り、腕や脚は、つけ根から指先に向かって塗るのがコツです。

赤ちゃんにおすすめの保湿剤は?


赤ちゃんにおすすめの保湿剤は?

赤ちゃんの肌には保湿が重要だと解説してきましたが、赤ちゃんの保湿剤は種類が豊富で、「どれを使えばよいのか…」と迷ってしまう方も多いと思います。

赤ちゃん用の保湿剤は、次の表のように大きく5つに分けられます。


赤ちゃん用の保湿剤の種類と特徴



テクスチャー 成分 使用感 シーン
ローション 主に水分 さらさらして伸びやすい 肌の水分補給や頭皮への使用におすすめ
ミルキーローション 水分+油分(水分が多い) 比較的さらさら 毎日の全身保湿や夏場におすすめ
クリーム 水分+油分(油分が多い) 多少べたつく 乾燥しやすい部分、カサカサした部分、冬場におすすめ
オイル 油分のみ さらさらして伸びやすい 赤ちゃんのマッサージ、かさぶたのケア、耳・鼻・おへそ・おしり周りの拭き取りなどにおすすめ
ワセリン 油分のみ べたついて伸びにくい 閉塞効果が高いため、乾燥が激しい部分に使うのがおすすめ

ここからは、特におすすめの保湿剤について解説していきます。

●おすすめのテクスチャー…「ミルキーローション」

基本的に赤ちゃんの全身ケアにはミルキーローション(乳液タイプ)がおすすめです。水分と油分の補給が同時にでき、さらさらしたテクスチャーで全身に塗り伸ばしやすいため、肌への負担が少なくなります。

乾燥が気になる部分にはミルキーローションを塗った後に、ベビークリームを重ね塗りするのもおすすめです。赤ちゃんの肌の状態を見て調整してあげましょう。

●おすすめの容器の形状…「ポンプ型」

保湿ケアを行うお風呂上がり(沐浴後)、朝の着替え時はバタバタしがちです。毎回適量を手のひらに出すのも苦労します。

赤ちゃんを押さえながら塗ることができるポンプ型なら、ワンプッシュで適量を手に取れるためおすすめです。特にノズルが大きく、押しやすいものが便利でしょう。

なお、妊娠中に使っていたマタニティクリームに残りはありませんか?赤ちゃんにも使えるアイテムであれば、まずはそちらで赤ちゃんの保湿ケア行うのもよいでしょう。妊娠中からママと赤ちゃんどちらも使えるクリームを使うのが、経済的でおすすめです。


赤ちゃんの保湿は基本を押さえつつその子に合ったケアを

赤ちゃんのデリケートな肌を健やかに守るために、保湿の重要性や保湿ケアの適切な方法などについて解説してきました。

赤ちゃんの皮ふは大人の半分の厚さしかなく、肌のバリア機能がまだ弱いです。角質層の保湿成分が少ないため、水分が蒸発しやすい構造になっています。肌が乾燥すると肌のバリア機能がさらに低下し、湿疹や肌荒れなどのトラブルが起こることも。

赤ちゃんのデリケートな肌を守るためには、毎日の保湿が重要です。お風呂上がりと朝の着替え時の1日2回、身体の各パーツに、それぞれ10円玉大(1ミリリットル)の量の保湿剤を塗りましょう。保湿剤は、水分と油分の補給が同時にでき、伸びやすいミルキーローションがおすすめです。

季節にかかわらず、適切な保湿ケアで赤ちゃんのすべすべお肌、もちもちほっぺを守りましょう。


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