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出産の入院準備はいつまでにする?必要なもの&便利なグッズリスト

監修:古市 菜緒

プロフィール

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高いAUSとNZで数年生活、帰国後バースコンサルタントを起ち上げる。現在は、高齢出産の対象であるOVER35の方にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連する記事の執筆やサービス・商品の監修、企業のセミナー講師、産科病院のコンサルタントなどを務める。

妊娠がわかってから、お腹が大きくなるのは早いものです。まだ先と思っていた出産予定日が近づいてくると、お産の現実感が増すでしょう。
しかし最初の出産の場合は、「そろそろ入院の準備を…」と思っても、いつ、何を、どのように準備すればよいかわからないママ・パパも多いかもしれません。今回の記事では、出産のための入院準備の開始時期・ポイント、入院時の必要物品や便利グッズを、理由も含めて具体的に解説します。

出産の入院準備をする時期・入院期間は?



●入院準備の時期

出産のための入院準備は妊娠後期に入った妊娠8か月(28週)ごろから始め、出産予定日の1か月前(妊娠36週まで)には終わっているのが理想とされます。「少し早い」と思うかもしれませんが、妊娠後期に入るとこれまでの安定期とは違い、トラブルが多くなり何が起こるかわかりません。たとえば前触れもなく陣痛が始まる、破水が起こる、出血が多くみられる場合などは、すぐに入院が必要になるケースがあります。急な入院で慌てないためにも、早めの準備が必要なのです。また、家族が後から病院に荷物を持っていけるよう、荷物の置き場所は家族と共有しておきましょう。

さらに、出産後1か月(新生児期)は、健診などの場合を除き、赤ちゃんは外出をすることができません。退院後しばらくはお出かけが難しいため 、入院に必要な物品だけでなく、退院後にすぐ必要なベビー用品・育児用品なども1か月前までには揃えておくと安心です。

●入院期間

出産による入院期間の目安は、次の表のとおりです。

◎出産による入院期間の目安    
【正常分娩】
初産婦    4日~6日くらい
経産婦    4日~5日くらい
【帝王切開】
6日~8日くらい


なお、病院・産院によって標準の入院期間が若干異なります。また、ママや赤ちゃんの状態によっても前後します。

ベビー用品の準備はいつから?妊娠月数別やっておきたい出産準備

出産の入院準備をするときのポイント

具体的な物品の話に入る前に、入院準備の大切なポイントを3つ紹介します。

●ポイント1 入院する病院・産院の設備やもらえるものを事前に確認する

病院や産院によって入院時の必要物品は異なります。出産や赤ちゃんのケアに必要な消耗品が「入院セット」「お産セット」などのかたちで用意されているケースがあるためです。事前に確認すれば、無駄な購入をしなくて済みます。

▼病院・産院から渡される物品の例
出産直後に履く産褥ショーツ、産褥用ナプキン、スリッパ、歯みがきセット、フェイスタオル、ヘアゴム、ヘアブラシ、赤ちゃんのおしりふき、紙おむつ、おへその消毒液、清浄綿など

また、病棟や病室の備え付け物品や設備についても把握しておきましょう。洗たく設備については乾燥機の有無、洗たく物干しや物干しハンガー、洗剤の有無もチェックしておきます。

▼病院・産院の設備・備品の例
コインランドリー(洗たく機・乾燥機)、お風呂・シャワー、ドライヤー、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ドライヤー、ボディタオル、シャワーキャップ、スリッパ、爪切り、ティッシュペーパー、はし、ストロー、入院中のママのパジャマ、入院中の赤ちゃんの衣類、紙おむつ、授乳枕、円座クッションなど

大抵の産科では「入院時の持ち物リスト」「出産・入院の準備」などの資料が用意されているため、確認しておきましょう。なお近年は、母子手帳(母子健康手帳、親子手帳)や健康保険証、その他の必要書類以外は原則持ち込まなくて良い「手ぶら入院」が可能な施設も多くなってきました。

●ポイント2 入院期間や病院・産院の洗たく環境に応じて準備する

病院・産院の設備・備品、無料配布のセットの中身などを確認した後、着替えや日用品の必要数を計るため、おおよその入院期間を把握しましょう。入院期間の目安は前述のとおりです。病院・産院、ママや赤ちゃんの状態によって違いがあるため、確認しておくとよいでしょう。洗たく設備がない病院・産院の場合は洗い替えができません。入院期間の途中で足りなくならないよう、着替えやリネン類を多めに準備しましょう。

●ポイント3 荷物は「貴重品バッグ」「陣痛バッグ」「入院バッグ」の3つに分ける

入院時の持ち込み物品は、優先度別に次の3つのバッグに分けて準備するのがコツです。

1)貴重品バッグ(携行する)

母子手帳(母子健康手帳、親子手帳)や必要書類、若干のお金など、最低限これだけあれば入院できる物品を入れるバッグです。ショルダーバッグやポシェット、サコッシュなどの小さなカバンに用意し、妊娠後期(妊娠8か月~10か月)に入った後は基本的に持ち歩くようにします。

2)陣痛バッグ(家に置いておく)

陣痛が始まり、病院・産院に向かう際に持っていくバッグです。一人でも持ち歩けるサイズのリュックやカバンに、パジャマ、下着、靴下、入浴用具など、当座の入院生活の必須アイテムを用意します。外出先から貴重品バッグのみで入院するケースを考え、家族に置き場所を伝えておきましょう。

3)入院バッグ(家に置いておく)

貴重品バッグ、陣痛バッグの物品よりも優先度は低いものの、入院生活に必要なものをまとめたバッグです。出産後に必要な物品(ベビー用品、授乳パッド)、予備の着替えや日用品、入院生活を心地よく過ごすための物品(イヤホン、本など)、骨盤ベルトなどを、大きめなバッグに用意します。入院の際はできるだけ身軽なほうが楽なので、家族に後から持ってきてもらうとよいでしょう。陣痛バッグと同じく、家族に置き場所を伝えておきます。

なお、入院バッグは物品がゆったりと入る大きめのサイズにしましょう。退院の際は、病院・産院からオムツやミルクのサンプル、育児ガイドブックなどをもらうことが多く、入院時より荷物が増えるためです。


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出産の入院準備①|貴重品バッグに入れるもの


貴重品バッグには入院手続きに必要な書類・証明書など「出先でそのまま入院となっても困らない必要最低限のもの」を入れて、基本的には携行します。ショルダーバッグやポシェット、サコッシュなどの身につけやすい小さなカバンに、持ち歩ける程度の重さになるように数を絞って入れるのがよいでしょう。
貴重品バッグに入れる具体的な物品を紹介していきます。


・診察券
・母子手帳(母子健康手帳、親子手帳)
・健康保険証
・マイナンバーカードなどの本人確認書類

・入院や出産に関わる必要書類        
入院誓約書:事前に必要事項を記載しておく
出産一時金関連書類:直接支払制度などを利用する場合は、合意確認書を提出すれば原則50万円まで病院・産院での窓口払いが不要になる
高額療養費の限度額適用認定証:医療保険の対象となる出産(帝王切開など)になった場合に、所得に応じて医療費の上限額が設定される
*上記のほか、病院・産院より提出を求められた書類 *外国人の方であれば外国人登録証も必要
・印鑑(認印)
シャチハタ不可
・財布&お金
病院・産院までのタクシー代を入れておくとよいでしょう。小銭もあると便利です。
・携帯・スマホの充電器
・その他

余裕があれば、ハンカチ・ティッシュ、タオル、筆記用具、腕時計(陣痛間隔を計る)、ハンドクリームなども入れておくと便利です。


出産の入院準備②|陣痛バッグに入れるもの

陣痛バッグは、陣痛が始まり病院・産院に向かう際、自身で持っていくことを想定したバッグです。一人で持ち歩けるサイズのカバンやリュックに、入院生活の必需品を入れておきます。

●必要なアイテム

・パジャマ
上着の丈が長い「ロング丈」で、前開きのタイプがおすすめ。出産直後は腕に点滴を刺したままで看護師や助産師に着替えを介助してもらうほか、診察を受けやすいためです。また、前開きなら授乳時も楽でしょう。
・下着・靴下
ブラジャーは授乳用ブラジャーやハーフトップタイプなど、授乳がしやすいものを選ぶとよいでしょう。
ショーツ(パンティ) は、出産まではマタニティショーツ、出産後2~3日は悪露(※)が出るために産褥パッドを当てて産褥ショーツを履き、その後はマタニティショーツを着用するのが一般的です 。
※悪露:「おろ」と読む。子宮が元の状態に戻る際に排出される、胎盤や卵膜の一部、血液、リンパ液、羊水などが混ざった分泌液のこと。
・産褥ショーツ・産褥パッド
出産後2日~3日は悪露対策のために必要になります。病院・産院が用意してくれている場合もあるため、枚数の目安を確認してから準備したほうがよいでしょう。また、帝王切開で出産する場合、経腟分娩よりも枚数が必要になるケースが多いです。
・洗面用具や歯みがきセット(歯ブラシ・歯みがき粉・マグカップ)
歯みがきセットは病院・産院が用意していることもあります。髪が長い人はヘアゴムも入れておきましょう。
・入浴セット
シャンプー、コンディショナー、ボディソープなど。病院・産院の浴室に備え付けられている場合もあります。
・スキンケアセット
・タオル
フェイスタオルとバスタオルは病院・産院が用意してくれている場合もあるため、確認しましょう。タオルハンカチがあると母乳パッド代わりにも使用できます。
・室内履き
病院・産院に備え付けられていることもあります。転倒防止のため、スリッパではなくかかとのある履物や滑り止めが付いている履物を用意しましょう。
・ガーゼハンカチ
授乳するときに赤ちゃんの口を拭う、吐き戻しのときなどに使います。授乳時には毎回使うことになるため、5~10枚と多めに用意しておくと安心です。
・ビニール袋
ゴミや洗たく物を入れます。大きいサイズと小さいサイズを用意しましょう。
・眼鏡・コンタクト類
・飲み物・ストロー
出産前後は小まめな水分補給が必要です。500mlの水やお茶を最低でも2本は用意しましょう。ストロー付きボトルやペットボトル用のストローキャップがあると寝ながらでも飲みやすくなります。
・化粧品
・リップクリーム
陣痛から出産までの期間は唇が荒れやすくなります。
・エネルギー補充ができるゼリー飲料
陣痛中の栄養補給に重宝します。
・元気が出る甘いものや好物
陣痛を乗り切るために痛みを紛らわすものを用意するとよいでしょう。
例:グミ、チョコレート

●あると便利なグッズ

・テニスボール・ゴルフボール
陣痛時、腰やおしりに当てることで陣痛緩和に役立ちます。病院や産院に備えてある場合もあるので聞いてみましょう。
・使い捨てカイロ
陣痛を乗り切るためのアイテムです。お腹や腰を温めることで痛みが和らぐこともあります。出産施設には、湯たんぽを常備しているところが多いため、より緩和効果が期待できる湯たんぽがあるかを、あらかじめ確認しておくのもよいでしょう。
・うちわ
出産前は汗をかきやすいため、あると重宝します。
・時計
病室に備え付けてある場合もありますし、腕時計でも構いません。陣痛の長さや間隔を計るために使います。また、産後は授乳時間を確認するためにも必要になります。
・アロマ  
出産に対する不安や緊張を緩和し、リラックスするために使います。もし使いたいアロマがあれば、持参する前に、お産時にも使うことができるアロマなのか、アロマが使用できる環境なのかを確認しましょう。また、病院・産院によってはアロマを常備しているところも多いため、入院中に使用できるアロマについて質問してみるのもよいでしょう。

出産の入院準備③|入院バッグに入れるもの

入院バッグには、陣痛バッグに入らなかったもの、出産後や退院時に必要なもの、あると便利なものをまとめます。基本的には同行する家族、あるいは後から来る家族に持って来てもらうバッグです。入院バッグには、本や雑誌、冷え対策用の衣類など、入院生活を快適に過ごすためのアイテムなどさまざまなものを入れることになりますが、持っていくべきか迷った場合は「とりあえず持っていく」というスタンスがよいでしょう。
入院中は自分で行動できず、家族に持ってきてもらう際も置き場所などの説明に難渋することがよくあるため、「持ってきて必要がなければ家族に持って帰ってもらえばよい」と考えたほうがよいようです。衣類やリネン類は、病院・産院の洗たく環境を確認し、事前に洗たく物をどうするかを決めてから必要枚数を考えるとよいでしょう。

また、病院・産院からオムツやミルクのサンプル、育児ガイドブックなどをもらうことが多く、退院後には荷物が増えます。考えつくものをすべて入れてもまだ余裕のあるような大きめのカバンを用意しましょう。

●必要なアイテム

・出産後の室内着
Tシャツ、ズボン、ジャージなどのくつろげるもの。汚れやすいので着古した普段着がよいでしょう。マタニティウェアでも構いません。産後しばらくは、お腹が大きいためウエストに余裕のある衣服にしましょう。また、授乳が不慣れかつ頻繁にあるため、前開きのものが理想的ですが、授乳ストラップがあるとTシャツでも授乳がしやすいため便利です。
・衣類の予備
パジャマの予備 1枚~2枚 ※赤ちゃんを抱っこして写真を撮るためにかわいいパジャマもあるとよいです。
下着の予備 1枚~2枚
靴下の予備 1枚~2枚
産褥ショーツ・産褥パッドの予備 3枚~5枚 など
・タオルの予備 2枚~3枚
・洗たく用洗剤
院内にコインランドリーがあっても洗剤は持参の場合が多いです。
・母乳パッド 2枚~3枚
・エコバッグ
・箱ティッシュ
・退院するときのママの服
・赤ちゃんの服
ベビードレスやカバーオール+肌着がよいでしょう。入院中のベビー服は病院・産院が用意することも多いため、主に退院用のベビーウェアになります。
・おくるみや大判のバスタオル
・オムツ替えセット
オムツ、おしりふき、ティッシュ、ビニール袋、オムツ替えシートなど。オムツとおしりふきは、病院・産院に用意があることも多いです。
・チャイルドシートや抱っこ紐、クーファン
帰宅手段に応じて必要なものを用意しましょう。タクシーを利用する場合はチャイルドシートの準備は不要になります。バスや電車などの公共交通機関を利用する場合は、新生児用ベビーカー、横抱きができる抱っこ紐、日傘などがあるとよいでしょう 。
・入院中の水分
入院中はお茶の配布があるところもありますが、食事以外の水分は用意が必要です。特に産後は授乳により喉がよく乾きます。自販機の有無を確認するとともに、入院時に必要な水分もあらかじめ準備しておきましょう。

●あると便利なグッズ

・寒さ対策グッズ
出産時の季節によりますが、出産後は夜間も数時間おきに授乳するため、冬場は特に必要です。また、病院内は空調が強いことがあるため、冷房が苦手なママは夏場も準備するとよいでしょう。
例:カーディガンなどの羽織るもの、厚手の靴下、レッグウォーマー、ブランケット
・保湿グッズ
病院・産院内は空気が乾燥していることも多く、乾燥対策用のグッズがあると便利です。全身だけでなく、乳頭ケアにも利用できるものがよいでしょう。
妊娠中に使っていたマタニティクリームを続けて使っても構いません。たとえば「アラウ.ベビー マタニティクリーム」ならば無添加・低刺激で赤ちゃんにも使えるため、次に紹介する「赤ちゃん用保湿剤」にもなり、退院後も使えます。
・ベビーローションなどの赤ちゃん用保湿剤
院内での沐浴指導の際に使います。病院・産院備え付けのものを使うケースも多いです。
・骨盤ベルトや着圧ソックス
腰痛やむくみ対策のために必要に応じて用意します。
・生理用や介護用の使い捨てパンツ
悪露の量が多いときは寝ていても横漏れしないため便利です。産後しばらくはお腹が大きいため、準備する際はウエストにゆとりのあるサイズを用意しましょう。
・イヤホン
テレビの視聴に有線イヤホンが必要なことがあります。線の長めなものがよいでしょう。
・割りばし
病院での食事以外に差し入れをもらうこともあるため。
・お湯を入れてつくれる飲み物
ココアやカップスープ、ノンカフェイン飲料などを用意しておくと、ホッと一息つくことができます。
・日記やノート
赤ちゃんの様子や産後の自分の気持ちを残すことができます。
・好きな音楽
・本や雑誌

帝王切開をした場合にあると便利なグッズ

帝王切開を予定している場合は、出産後しばらく安静が必要になるため、これまで紹介したアイテムに加えて、次のものがあるとよいでしょう。

・長めの延長コード
ベッドからコンセントまでの距離がある場合に、ベッドから動かず携帯の充電ができます。術前にベッドまでセッティングしておきましょう。
・S字フック
ベッドの柵にカバンや小物入れなどを掛けられます。
・汗ふきシート
手術後は許可が出るまで入浴ができないため、あると便利です。
・フェイスパック
寝たままスキンケアができるため、重宝します。

万全の入院準備で出産に集中できる環境を


出産は、女性にとって一大イベントです。できるだけ快適な入院生活を送れるよう、念入りに準備しておきましょう。
病院・産院の制限に引っかからなければ、「あれもこれも」というスタンスでよいかもしれません。「使わなかった」と持って帰ることがないようにするよりも、「なくて困った」と不便を感じないようにするほうが重要です。

いざとなればご家族に持って帰ってもらえばよいでしょう。少しでもストレスを軽減し、リラックスして出産に臨めるようにしてくださいね。



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